「庄内川のわたし舟」とあるインターネットオークションでこの本の出品を見つけた。
出品者による説明文には、「1991年 私家版?。初版。頒価800円。93p。17×11㎝。
表紙カバーにわずかにムレ、小口にわずかに汚れがあります。中身に問題ありません。」とあった。
早速詳細を調査するために、インターネットで検索してみたが、図書館蔵書情報以外には
出品情報を補足するものは得られなかった。
商品は無事落札でき、本日郵便で届いたのが上の写真。
現物は文庫本程度の大きさ。
内容は大きく三部に分かれ、表題の小説が8割程度、残りが「庄内川のわたし舟によせて」と
「渡し舟によせて」となっている。
小説は後回しにして巻末の「渡し船によせて」から読み始めて驚いた。
筆者の田中実氏はかって守山区の白沢小学校の教諭で、その当時の教え子が歴史クラブで
書いた作文「庄内川の渡し船」が出版のきっかけとなった由。
1991年の出版に対して、その思い出話を「十数年前」と表現しているから、
1970年代後半の白沢小学校教師とその教え子(小6)の関係が想像される。
守山郷土史研究会の会報「もりやま」には次の関連記事が見える。
昭和58(1983)年「庄内川の渡し場について」、久野冴子さん
昭和59(1984)年「再び庄内川の渡し跡をたずねて」、久野冴子さん
また「渡し」という文字がタイトルには含まれていないが、文中に言及されている記事は次の通り。
平成2(1990)年「東春日井郡川村の郷(上)」、滝本庄吾氏
まだ大小いくらかの記事があるが省略。
ちなみに肝心の「白沢のながれ」で渡し船について言及が無いのは残念である。
他には対岸の春日井市側で、同様に郷土史研究会が調査研究をされた成果が
インターネット上で見られる。
最後に当時の川船の写真を掲載する。
これらは渡し船ではなく荷役用で、その多くは亜炭や石を運んだと言われている。
2枚を比較すると、同じアングルから時間差あるいは、日を改めて撮影したことが推定される。
